広告会社のこれからの役割
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土屋
今後シェアリングエコノミーが浸透する中で、広告も追随していくことが考えられます。ライドシェアが2024年4月、一部解禁になりました。アメリカではFirefly (https://www.fireflyon.com)がライドシェア車の上に広告を表示するサービスを提供していますが、そうした新たな広告の場が出てくる可能性は大いにありそうですね。
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石山
自分の家の駐車場を貸し出すシェアリングサービスも一般的になりました。個人宅の駐車場でも人が来れば、自分の家に広告枠を作って販売できるかもしれませんね。民泊もそう。自分の家にたくさんの人が世界からやってくるなら、そこも広告の場となる。既に、アメニティのブランドが民泊に置くシャンプーなどをAirbnbさんに持ちかけるケースとか出てきていますよね。
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土屋
シェアリングの進展で新しい接点がますます増え、広告の可能性も広がっていく。そうしてよりよい社会の実現に、我々も広告を通して寄与していきたいと考えています。進みゆくこの社会で、これからの広告会社に求められる役割についてご意見があればお聞かせください。
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石山
そうですね、最近企業のいろんな騒動に対するリリースとかを見ても、コンプラを意識しすぎた結果とても無機質的なものが見受けられます。消費者からすると「ナカの人、ほんとに人間なんですか?」「AIが書いたの?」みたいに、さらに反感を買うケースも。ナカにはちゃんと人間がいて、熱い想いを持って消費者に向き合っていてとか、そこに人間らしさみたいなものを感じてもらえるかは、もしかしたら企業と消費者の間にいる広告会社がサポートできることなのかなと思っています。
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土屋
おっしゃる通りかもしれません。企業のビジョンに共感し共に進む広告会社だからこそ、顧客や社会との良好なコミュニケーションを作ることができるものだと思っています。
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石山
広告は共感して初めて記憶に残り、共感してそのブランドや企業にシンパシーを感じるもの。どう共感を生み出すかに、一番知恵を持っているのがきっと広告会社だと思うんですよね。そういう意味では、そのアドバイスを聞きたいニーズが今後たくさん増えるんじゃないかなと。むしろ共感が重要なこのSNS時代、みんなが表現者になる時代だからこそ、どういうコミュニケーションだったら、どういうデザインを使ったら分かり合えるかを広告会社は考えている。広告会社が培ってきたものが、みんなにとってとても欲しいものになっていく未来があると私は思います。
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土屋
我々も持っているものを束ねて進化させ、人と企業のつながりを作り、より良い社会に貢献していく。そうして幸せが循環する未来を作り続けていきたいと思っています。