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2024.03.11
カードゲームで更年期が幸年期になる? 男女関係なく訪れる更年期を理解して、みんなで乗り越えよう!
- 目次
- はじめに
- さっそくゲームを体験してみよう
- 吉川さんの悩みカード [メイクができない・メイク崩れがひどい]
- 浅野さんの悩みカード [睡眠中のこむら返り]
- 永田さんの悩みカード [夜、何度も起きる]
- 笹尾さんの悩みカード [物忘れ]
- 齊藤さんの悩みカード [下痢]
- ゲームをやってみての感想
- セルフチェックシートに記入
はじめに
日本女性ウェルビーイング学会(JWW)とASAKO WOMAN EMPOWERMENT(AWE)が協力して、ウェルビーイングへの理解を深める連載企画(全3回)をお届けします。今回は、JWW代表の笹尾敬子さんとJWW副代表兼NPO法人ちぇぶら※1代表理事の永田京子さんをお迎えして、『更年期が幸年期になるカードゲーム』※2をAWEメンバーと一緒に挑戦しました。
更年期と聞くと、女性特有の症状が思い浮かぶかもしれませんが、実は男性も例外ではありません。まだまだ理解の進んでいない更年期に焦点を当て、男女ともにウェルビーイングを実現するための楽しいアクティビティとして開発されたのがこのカードゲームです。ASAKOでは、座学との組み合わせで、3時間20分の企業研修プログラムを構築しています。今回の企画では、カードゲームのほうを体験しました。ゲームを通じて更年期の症状や対策についての理解を深めつつ、次のアクションにつなげることができるのでしょうか。
※1:ちぇぶら=チェンジ オブ ライフ、更年期を英訳したもの。
※2:『更年期が幸年期になるカードゲーム』=一般社団法人幸年期マチュアライフ協会とASAKO戦略ビジネスチームが共同で開発した、楽しみながら更年期を学ぶカードゲーム。オンラインでプレイできるようにブラウザ版もあります。
【参加者紹介】
- 笹尾 敬子
日本女性ウェルビーイング学会(JWW)代表として、女性が生きやすい社会の実現を目指して活動している。 - 永田 京子
更年期トータルケアインストラクター。NPO法人ちぇぶら代表理事として、10年にわたり更年期の知見を広めている。更年期を扱った著書は翻訳され、台湾でも販売されている。 - 荒井 貴子(途中参加)
ASAKOアカウントエグゼクティブ。性別に関係なく、それぞれが尊重し合い、活躍できる社会の実現を目指している。 - 吉川 さやか
認定フェムテックエキスパート。同じ価値観を持った人同士、企業間の垣根を超えて女性が輝ける新たな価値創造を追求している。 - 浅野 優子
プランナー、サステナラボ研究員。2021年からサステナラボ®に参画。一人ひとりが思う「幸せ」を実現できるように活動している。 - 齊藤 雅之
ASAKOアカウントエグゼクティブ。日本の働くお母さんを少しでも支援できるような取り組みを模索している。
さっそくゲームを体験してみよう
まず、5人の参加者(笹尾・永田・吉川・浅野・齊藤)が机を挟んで車座に座ります。
次に、参加者全員に均等に「アクションカード」が配布されます。このカードには、〈同姓の友人に話す、相談する〉〈更年期に良いとされる食材を摂る〉など、更年期症状を改善するための具体的な対策が書かれています。
最初の相談者役となったのは吉川さんです。相談者は[ホットフラッシュ][ふさぎこみがち]といった更年期の主な症状が記された「症状カード」を1枚引きます。右隣に座る浅野さんが手持ちの「アクションカード」を提示しながら、反時計回りでそれぞれが症状に対するアドバイスを提供します。全員が相談者にアドバイスを終えると、効果的なアクションを提示したプレーヤーには相談者から「ハッピーポイント」が与えられます。
今回は特別ルールとして、更年期に詳しい笹尾さんと永田さんに、自身の経験や知識に基づいて効果的な対策を伝えることができる「ユーティリティカード」(「アクションカード」の一種)を配布しました。この2名の参加で、より高度なゲーム展開となりそうです。
吉川さんの悩みカード [メイクができない・メイク崩れがひどい]
前日の新年会で飲み過ぎ、あまり体調が良くないという吉川さんは、[メイクができない・メイク崩れが酷い]の「症状カード」を引きました。実際にその症状を抱える相談者になりきって、カードの内容を読み上げます。
【悩みの詳細】皮膚のバリア機能の低下で、肌が敏感になり過ぎてメイクができなくなってしまう。ホットフラッシュによる大量の顔汗でメイクが落ちてしまうなど、メイクすること自体が不快になる。出社や外出、人と会うことや晴れの場に出ることなど、メイクをして出かけるのが憂鬱になる
上田(司会):それでは、浅野さんから順番に、[メイクができない・メイク崩れが酷い]の症状に効果があると思うアクションを教えてください。
浅野:はい。もしかしたら、この質問には合わないのかもしれないけど、今の吉川さんにぴったりのカードがこれ〈酒量をコントロールする〉。
全員:(笑)。
永田:私は〈入浴や、サウナやよもぎ蒸しなど温熱療法を取り入れる〉です。血流を良くすると、顔色も良くなりますよ。
笹尾:確かに入浴はいいですね。私は〈漢方薬局に行き相談する、飲む〉です。漢方には、肌の調子を良くするものもあります。すぐには効果が現れませんが、飲み続けることで、体質が徐々に変わってきます。例えば、アトピーの方が強い薬を飲むと、肌が荒れてしまうこともありますが、漢方を使って治ることもあります。漢方も選択肢の1つとして考えてみてはいかがでしょうか。
浅野:なるほど、勉強になります。具体的にどんな漢方なんでしょうか?
笹尾:肌をきれいにするといっても、いろいろな漢方があります。漢方薬局では、その人の症状に合うように調合してくれます。相談して、自分に合ったものを飲むことが重要です。今は漢方に限らず、美容皮膚科から保険適用内の皮膚科まで幅広くあります。そこで大切なのは、この先生だったら自分の症状に合った治療をしてくれるだろうとか、とにかく自発的に情報を集めることです。
齊藤:自発的に情報を集めることは大切ですね。私が考えたアクションは〈化粧品を変える〉です。特に根拠はないんですけど、自分に合った化粧品を使うといいのかなと思いました。
笹尾:〈化粧品を変える〉という対策は、オーソドックスですけど、確かに大切かもしれません。
吉川さんは〈漢方薬局に行き相談する、飲む〉というアクションを提案した笹尾さんに「ハッピーポイント」を与えました。次は浅野さんの相談です。
「ハッピーポイント」の合計:笹尾 1 永田0 吉川0 浅野0 齊藤0
浅野さんの悩みカード [睡眠中のこむら返り]
浅野さんが引いたカードは、[睡眠中のこむら返り]です。浅野さんは、実際に経験したことがあるといいますが、4人はどのようなアドバイスをするのでしょうか?
【悩みの詳細】睡眠中の不動による血行不良や、睡眠時のホットフラッシュ・寝汗などの発汗後の冷えによる血流低下によって筋肉が収縮しやすくなる。その結果、睡眠中に足がつりやすくなるという症状が起きる。
笹尾:ちなみに、浅野さんは水分をしっかり摂っていますか?
浅野:はい。毎日水を多めに飲むことを心がけています。それと同時にマグネシウムを摂取しています。
永田:こむら返りを防ぐには水分補給を心掛けることが大切ですね。私からは、さっそく「ユーティリティカード」を使って、こむら返りになりにくくなるストレッチを紹介したいと思います。こむら返りは、筋肉が縮んでいないのに、脳から縮めという指令が出されることで起きるんです。そのため、大きな神経が通る背骨を動かすのがおすすめです。首の付け根の部分と、腰の部分をストレッチすることで、こむら返りの予防にもなりますよ。今回は座りながらやってみましょう。
まずは、姿勢良く、腹式呼吸で鼻からスゥーーーーっと息を吸って、お腹を膨らませて、斜め上を見上げます。そして、口から息をハァーーーーっと細く長く吐き出しながら、ぐっと二重顎になるくらい顎を引きます。首の付け根がストレッチされるように意識してください。では、これをあと2回繰り返しましょう。
全員:スゥーーーー。ハァーーーー。スゥーーーー。ハァーーーー。
永田:皆さん自然呼吸に戻してください。これなら、布団で寝ているとき、横になりながらでもできるので、ぜひ試してくさださいね。
笹尾:デスクワークでは同じ姿勢が続くので、こういったストレッチは効果的ですね。私からは「ユーティリティカード」を使って、水分補給について補足させていただきます。先ほど、浅野さんはコーヒーも飲んでいるとおっしゃいましたが、コーヒーやお茶に含まれるカフェインには利尿作用があり、あまりたくさん飲む事はおすすめしません。
ただ、水を1日に1.5リットルから2リットルくらい飲むというのは、非常に重要です。さらに意識していただきたいのは、マグネシウムや亜鉛といったミネラルをバランス良く摂ることです。ミネラルは体の中で作られないので、食事で不十分であれば、サプリメントなどで補っていただけると良いと思います。
浅野:ありがとうございます。インターネットを見て、マグネシウムを取っておけばいいじゃんという意識でしたが、バランス良く摂取することが大切なんですね。
齊藤:お二人とも見事なアドバイスですが、私からは、まさに〈ストレッチをする〉というアドバイスをします。詳しい理由はよく分からないのですが、萎縮した筋肉をリラックスさせ、伸ばしてあげるのが重要だと思います。
吉川:私は筋肉の収縮を促すために〈ウォーキング・ジョギングをする〉のが良いと思います。
浅野:実は私、毎日歩いているんです。
笹尾:それはいいですね。ウォーキングする前に、膝とかかとを真っすぐに伸ばすことを意識するとさらにいいですよ。私も昔は膝を痛めがちだったんですけど、ストレッチを始めてから、調子が良くなりました。膝に負担が掛ると、足がつりやすくなったり、寝ているときに膝が痛くなったりしますから。
浅野:なるほど、ウォーキング前のストレッチはおろそかにしていました。今回教えていただいたストレッチと水分補給を日常生活に取り入れていきたいと思います。
浅野さんは、笹尾さんと永田さんに「ハッピーポイント」を与えました。次は永田さんの相談です。
「ハッピーポイント」の合計:笹尾 2 永田1 吉川0 浅野0 齊藤0
永田さんの悩みカード [夜、何度も起きる]
永田さんは、[夜、何度も起きる]のカードを引きました。この症状には、参加者全員心当たりがあるようで……。
【悩みの詳細】 寝たはずなのに、就寝途中で目が覚める中途覚醒をはじめ、トイレや汗かき、暑さ、寒さなどで何度も起きてしまう。そのため、良質な睡眠が取れない。毎日続くことで睡眠負債となり、日中の活動に影響を与えてしまうことがある。
齊藤:これは本当によくありますね。
全員:うんうん。
笹尾:睡眠が取れないのは、寝ている姿勢が原因のこともあります。今回も「ユーティリティカード」を使って説明しますね。私自身、更年期に限らず、今までに多くの症状を経験してきました。例えば、ソファーで寝ていると、3、4時間で目が覚めてしまうんです。専門家によると、寝返りが打てないことが原因らしいのですが、ベッドでもマットレスのどこかが沈んでいると、寝返りが打ちにくくて目が覚めてしまいます。もちろん、精神的なストレスで覚醒があるときは、医師に相談することを忘れないでください。
永田:更年期で夜起きてしまう原因は、いくつも考えられます。自律神経が乱れて、ホットフラッシュで目が覚めてしまうとか、頻尿でトイレに行きたくて何度も起きてしまうとか……。
笹尾:そうですね。他にも夢をたくさん見る人は、脳が休まっていない証拠なので気をつけてください。脳を休ませるには、副交感神経を優位にする必要があります。ゆっくりお風呂に入ったり、アロマの香りを嗅いだり、穏やかな音楽を聴いたりするといいですよ。
吉川:私がよく見る夢は、絶対会えない芸能人が出てきたり、ロマンチックなものだけど、あまり良くないんですね。
浅野:いいなぁ(笑)。楽しい夢ならまだいいけど、私は電車に乗り遅れたとか忘れ物したとかの夢が多くて……。
笹尾:現代の女性は仕事や家事で時間におわれています。それに更年期が重なってしまうと脳を休ませる暇がありません。まずは自分の体を休ませることから考えましょう。私も以前は、それに気づくことも、指摘してくれる人もいなかったんです。考えてみれば学生の頃、試験前になかなか眠れなかったじゃないですか。今も試験前と同じくらい脳が働いているということなんです。
齊藤:そう考えると分りやすいですね。私も夜に何度も起きることがありますが、どうすればいいのかいまだに答えを見つけられていません。ただ、寝ることに集中しなくちゃいけないのは分かります。私は〈アロマテラピーを取り入れる〉ことで、脳を休めるといいと思います。ただ私の場合は、スマートフォンを見てしまうことに原因があると思うんですけど……。
笹尾:スマートフォンには仕事のメールにプライベートなものまで、全てが集約されていて、手放すのは難しいかもしれませんね。アロマは効果的で、良質な100%植物由来のものは本当によく効きます。さらに香りなので、胃や肝臓などといった臓器を通さず、直接脳に伝わります。アロマは、体への負荷がほぼないんです。
吉川:私はストレスを取り除くために〈仕事を休む・仕事を頼む、分担する〉のがいいと思います。体と心を休めて、いったんゆっくり寝てくださいって。
浅野:私も、吉川さんと似ていて〈ひと休みする〉のが重要かな。でも昼寝をすると爆睡しちゃいそうで、怖くてできないですね(笑)。
永田:たまにはお昼寝も良いかもしれませんね。笹尾さんの寝るときの
姿勢話はとても参考になりましたし、実はアロマについて勉強したことはあるんですが、これを機に実際に使ってみたいと思います。仕事を頼む、分担するのも良い方法ですね。気づくとやらないといけないことが山積みになってしまいますが、誰かに頼むことも大切で、自分が休む時間も作らなくちゃと思いました。
永田さんは全員に「ハッピーポイント」を与えました。続いては笹尾さんの相談です。
「ハッピーポイント」の合計:笹尾 3 永田1 吉川1 浅野1 齊藤1
笹尾さんの悩みカード [物忘れ]
笹尾さんは、[物忘れ]のカードを引きました。実はゲームが始まる前から、物忘れについて言及していた笹尾さん。どのようなアドバイスが飛び出してくるのでしょうか。
【悩みの詳細】性ホルモンの減少による更年期症状としてホットフラッシュやめまいはよく知られているが、実は物忘れも主要な症状の1つだ。原因は、神経伝達物質の働きの鈍化や、自律神経の乱れなどだ。こうした更年期の症状によるストレスが、記憶力、集中力を低下させることもある。
笹尾:私の場合は、更年期というよりは老年期に差し掛かっているというのもあります。最近は名前がなかなか覚えられなくて、アレとかコレとかいった言葉が増えました。
齊藤:そうなんですね。私は〈かかりつけ医(内科)に行く〉のがいいと思います。なぜ忘れてしまうのか、医師に診断してもらうといいのかなって……。
吉川:物忘れも放置していたら進んでしまうという話をよく聞きます。だからこそ〈家族に話す、相談する〉のが重要だと思います。家族と話すことで、自分が忘れたことをたどっていくことができると思います。
浅野:私の手持ちカードにあるものだと〈専門医に行く〉がいいかな。やっぱり誰かに相談することで、解決することもあると思います。
永田:誰かに相談するというアドバイスがたくさんありましたが、私からは〈ヨガをする〉というアクションを提案します。脳の機能は血流が良くなると活性化し、認知症を予防することもできます。さらに体を動かすことで、気分も明るくなります。何かを忘れてしまったとか更年期かなといった不安を跳ね返して、ポジティブに物事を考えることができるようになります。そのためヨガや体を動かす運ことはおすすめです。
笹尾:確かに、運動をするとボケにくいという論文もありますので効果的だと思います。私はヨガをやっていますが、これからは意識的に体を動かしていきたいと思います。
笹尾さんは、〈ヨガをする〉など体を動かすというアクションを提案した永田さんに「ハッピーポイント」を与えました。最後は齊藤さんの相談です。
「ハッピーポイント」の合計:笹尾 3 永田2 吉川1 浅野1 齊藤1
齊藤さんの悩みカード [下痢]
齊藤さんが引いたのは、[下痢]という男女関係なく起きる問題です。自分の症状だと、なかなか相談しにくい内容ですが、気軽に相談できるのが、このゲームの特徴です。
【悩みの詳細】更年期症状としての下痢は「お腹を下している」という状態とは異なり、腸の動きを支えている自律神経の働きが乱れ、腸のぜん動運動が正常でなくなることが原因とされる。腸のぜん動運動が正常でなくなると、下痢とは逆に便秘になることもあると考えられ、正しい排泄が保たれないこともある。
吉川:私は〈ホルモン補充治療法行う〉のがいいと思います。
齊藤:ほう。初めて聞きました。何ですかそれは?
吉川:肌のつやや髪質などもホルモンの影響を受けているように、ホルモンバランスが崩れると、体調が悪くなるといいます。ホルモンを調整し、体調を整えることで、下痢の解消にもつながるのかなと思います。
浅野:じゃあ私からは〈会社の勤務制度を使い労働量をコントロールする〉というアクションを提案します。下痢の原因がストレスに関連している可能性もあるので、会社の勤務制度を活用して、ストレスを軽減していくと良いと思います。
永田:下痢や便秘は、更年期の自律神経の乱れだけでなく、姿勢が悪くて腸が圧迫されることによっても引き起こされることがあります。私からは「ユーティリティカード」を使って、骨盤を起こして腸への負担を軽減する方法をご紹介します。骨盤を起こす状態とは、恥骨からおへそまでが床に対して垂直になっている状態です。この姿勢では、恥骨からみぞおちまでの距離が長くなり、腸を圧迫しません。毎日骨盤を起こし続けるのは難しいかもしれませんが、食事のときに5分だけでも意識することで、腸の負担を軽減できます。ぜひお試しください。
笹尾:腸を圧迫しないことは非常に重要ですね。私からは「ユーティリティカード」を使って、腸の調子を整えるというアクションを提案します。ストレスからくる過敏性大腸症候群(IBS)なども含めて、下痢は薬で止められる場合もあります。ただ薬に頼らずに普段から腸内環境を整えておくこともできます。ヨーグルトなどの乳酸菌が含まれた食品やサプリメントを摂取して、腸内で良い菌を育てておくといいです。私の場合便秘には、オリーブオイルが効果的で、小さじ一杯を摂取するか、サラダにかけるだけでも十分です。あとは運動もおすすめです。
齊藤:皆さんすごいですね。私の想像をはるかに超えていました。ホルモン補充療法というアプローチは初めて知りました。仕事の量を調整することも重要だと感じましたし、骨盤を起こして腸の健康を意識しながら生活したいと思いました。
齊藤さんは全員に「ハッピーポイント」を与えました。今回のゲームは、笹尾さんが全ての提案で「ハッピーポイント」を獲得し、パーフェクトという結果になりました。
「ハッピーポイント」の合計:笹尾 4 永田3 吉川2 浅野2 齊藤2
ゲームをやってみての感想
ハイレベルな展開となった今回のゲーム。プレイした感想を聞いてみると、私たちの更年期への向き合い方への課題が見えてきました。
永田:このカードゲームは、啓発の意味でも非常に興味深かったです。更年期の経験がない人であれば、症状や対策についてまったく知識がないかもしれません。しかし座学で得た更年期の知識をもとに、ゲームで他の参加者にアドバイスすることで、より理解を深めることができると思います。あと気づいたのが、カードデザインはおしゃれなんですが、「症状カード」の文字が小さ過ぎて、更年期世代にとっては少し読みづらいかもしれません。
上田:確かに文字が小さいかも、これは修正しないといけないですね……。笹尾さんは、このゲームをプレーしてみてどう思いましたか?
笹尾:自分の症状を誰かに相談するのではなく、たまたま引いたカードの症状について相談するという形なので、参加しやすいと思いました。自分の症状を告白するのはどうしても気が引けます。このゲームを通して更年期を乗り切った人たちが、自分がいろいろと試した経験などを途切れることなく、下の世代に伝えていくことができたらいいですね。
上田:ただ私たちの職場でも更年期女性に対する男性の理解があまり進んでいないように感じます。男性の齊藤さんから見てどう思いますか?
齊藤:そうですね。更年期の話題って、センシティブでどこまで触れていいのか分らないというのが正直なところです。
永田:確かに男性からはそう思われるかもしれません。更年期の話題は女性同士の会話でもハラスメントと受け取られる可能性があります。ただ今回のゲームのように、更年期について一緒に学んで、共通の土台を作ることができれば、年齢も性別も関係なく、コミュニケーションが取れるようになると思います。
齊藤:確かに今はまだ更年期という言葉だけが先走っていて、コミュニケーションエラー多いように感じます。私もこのゲームで学んだことを、部署のみんなに共有し、その土台作りに貢献していきたいと思います。
セルフチェックシートに記入
最後に更年期セルフチェックシートに記入しました。チェックしていくことで、自分の体の変化や不調を改めて見つめ直します。ただ記入途中にも更年期についての話題は止まりません。更年期を幸年期にするには、私たちはどうしていけばいいのでしょうか。
上田:ある工場で男性だけを集めて生理や更年期に関するイベントを開催したことがあります。そこで初めて知ったのですが、工場では自分のタイミングで製造ラインを抜けることができないんです。生理中の女性は途中で誰かにヘルプに入ってもらう必要があり、男性の理解が欠かせなかったんです。イベントでは普段から疑問に思っていた男性が多かったのか、質問の手が多く挙がりました。
笹尾:同僚の理解も大切ですが、企業の理解も必要不可欠です。例えば、日本の人間ドックは男性仕様ともいえます。女性にはあまり関係ないメタボ診断は標準装備なのに、生理などで鉄分が不足しがちな女性にとって重要な貧血検査はオプションという場合もあるので
女性の健康を測ることはできません。企業は女性の健康も理解して、体制づくりを考えていかないと、今後の日本に必要な労働力が失われてしまいます。
上田:実は今回体験したカードゲームも、更年期ロス※3を無くしたいという思いで作られているんです。
笹尾:これからの企業は、社員が更年期を乗り越えるために、どんなサポートが必要か考えていかなくてはなりません。幸せに働くことができる環境を整備すれば、労働生産性が上がって、会社はもうかり従業員だって幸せになるし、日本社会全体も幸せになると思います。
※3:更年期症状によって仕事に何らかのマイナスの影響があった人数。2021年にNHKが実施した調査によると、推計で75万人男性29万人が該当するという。また更年期離職による経済的損失は年間6300億円以上に上回る。
更年期が幸年期になるカードゲーム研修:https://www.asakonet.co.jp/asunomikata/solution/menopause/
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著者プロフィール
プロフェッショナルズ第三営業本部 営業7局2部荒井 貴子(あらい たかこ)
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「出典:朝日広告社「アスノミカタ」●年●月●日公開記事」
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