ウェルビーイング サステナビリティ 2024.08.28
より幸せになるために取り組みたいのは心と身体、そしてお金のこと ~第3回ウェルビーイング調査より~

目次
第3回ウェルビーイング調査について
【幸福度】男女とも、前回調査よりわずかに低下
【自己肯定感】男女ともに前回調査より低下。「自分に価値がある」と思う人は半分を切る
【最も満たされていないと感じる分野】満たされていないのは「お金」「身体」「心」
【幸せな状態になるために今後力を入れたい分野】「身体」など、満たされていない分野に力を入れたい
【まとめ】「ウェルビーイング」視点で考える&伝える

第3回ウェルビーイング調査について

ASAKO サステナラボ®では、生活者の幸福度や自己肯定感、また独自に開発した「60のウェルビーイング指標™」を用いた充足度の計測など、「ウェルビーイング調査」として年1回の調査を行っています。
「60のウェルビーイング指標™」の概要については、アスノミカタ「ウェルビーイング・マーケティングを具体化する“よりよく生きる”を考える60の視点」の記事をご覧ください。

2022年11月に実施した第2回ウェルビーイング調査では、働き盛りの世代やシングル層の幸福度の低さが浮き彫りになりました。
※詳細については、以下の記事をご覧ください。
あなたは幸せですか? ~第2回ウェルビーイング調査より~

そこで、第3回調査では

  1. 特にどの分野が満たされていないと感じているのか?
  2. 幸せになるために取り組みたいのはどの分野なのか?

について、探っていくことにしました。

今回の記事では、2023年11月に実施した第3回ウェルビーイング調査より

  1. 幸福度(前回調査との比較)
  2. 自己肯定感(前回調査との比較)
  3. 満たされていないと感じる分野
  4. 幸せになるために今後取り組みたい分野

の結果についてご紹介いたします。

【幸福度】男女とも、前回調査よりわずかに低下

図表1)幸福度(前回比較 n=2,800)

図表1は、幸福度について、前回調査と比較したものです。
残念なことに、全体、男女別とも前回結果よりもわずかながら低下してしまいました。全体では、前回が67.8%に対し今回は66.5%と▲1.3ポイント低下しました。男女別では、女性が69.6%なのに対し、男性が63.4%となっており、男性の方が低い傾向は変わっていません。一方、下落幅で見ると、男性が前回より▲1.0ポイント低下したのに対し、女性は▲1.5ポイントと、女性のほうがわずかですが下落幅が大きくなっています。

【自己肯定感】男女ともに前回調査より低下。「自分に価値がある」と思う人は半分を切る

図表2)自己肯定感(前回比較 n=2,800)

図表2では、「あなたは、自分に価値があると思いますか。」と自己肯定感を5段階で聞いた結果について前回調査と比較したグラフです。TOP2(とてもそう思う+ややそう思う)を「自分に価値がある」回答としています。
全体では45.0%と、前回より▲1.7ポイント低下しました。自分に価値があると思っている人が全体の半数を切っているということは、日本における大きな課題の一つと言えるのではないでしょうか。
こちらも男女別で見ると、男性が43.6%、女性が46.4%と、幸福度と同様男性が低くなっています。
下落幅については、男性が前回より▲1.0ポイント、女性が▲2.4ポイントと、やはり幸福度と同様に女性の方がやや下落幅が大きくなっています。

【最も満たされていないと感じる分野】満たされていないのは「お金」「身体」「心」

図表3)最も満たされていないと感じる分野(全体 n=2,800)

図表3は、60のウェルビーイング指標™を構成する12の分野(心、身体、生き方・余暇、お金、学び、仕事、安心・安全、暮らし、住まい、地域・社会、他者、家族)のうち、最も満たされていないと感じる分野を一つ選んでもらった結果です。
全体では「お金」を選んだ人が最も多く、25.0%となりました。次いで、「身体」13.9%、「心」11.4%となっており、この3つで全体の半数を占めています。やはり、普段の生活に大きな影響があると思われる「お金」、そして自身の「心」と「身体」について、より満たされていないと感じているようです。

【幸せな状態になるために今後力を入れたい分野】「身体」など、満たされていない分野に力を入れたい

図表4)より幸せな状態になるために今後力を入れたい分野と順番(全体 n=2,800)

図表4は、図表3と同様の12の分野(心、身体、生き方・余暇、お金、学び、仕事、安心・安全、暮らし、住まい、地域・社会、他者、家族)について、より幸せな状態になるために今後力を入れるとしたらどういう順番になるか、1番目から12番目まですべて選んでもらった結果です。
図表3で「最も満たされていない分野」として多く挙がった「お金」「身体」「心」が1番目(より幸せな状態になるために最も重視する分野)として多く選ばれており、特に「身体」を選ぶ割合が27.1%と最も高くなりました。この3分野は順番が下位になるほど選ばれる割合が下がっていきますので、重視度が高い分野と言えそうです。
一方で、12番目、11番目で多く選ばれている(より幸せな状態になるために重視度の低い分野)のは、「仕事」「地域・社会」「学び」「他者」となりました。
ここで改めて図表3の結果をご覧いただきたいのですが、「地域・社会」や「仕事」は最も満たされていない分野として中位となっています。この2分野については、あまり満たされていないと感じてはいるものの、幸せになるために力を入れる優先順位としては下がるようです。

【まとめ】「ウェルビーイング」視点で考える&伝える

当記事では、幸福度や自己肯定感の結果とともに、「最も満たされていないと感じる分野」と「より幸せな状態になるために今後力を入れたい分野」の結果について見てきました。

「心」「身体」「お金」に悩む生活者に対し、商品・サービスを提供する企業や私たち広告会社はどのようにしてアプローチすれば良いのでしょうか。
商品・サービスの訴求にあたり「機能的価値」と「情緒的価値」を考えるのは当たり前だと思いますが、「情緒的価値」からもう一歩踏み込んでみるのはいかがでしょうか。
「この商品・サービスは生活者のウェルビーイングをどのように高めてくれるのか」というウェルビーイング視点での見立て直しをしてみると、より深い考察と新たな魅力の気付きにつながるかもしれません。

一方、生活者として自身のウェルビーイングを考える際には、「自分はどこが満たされていないのだろうか?」「どんなことをしたら(やめたら)幸せを感じられるだろうか?」など、幸せになるために必要な「足す」ものと「減らす」ものを決めて行動に移してみると、幸福度が上がり結果として自己肯定感も上がってくるかもしれません。
ただし、幸福度と自己肯定感の相関は鶏と卵の関係に似ており、どちらが先なのかについてはさらに研究が必要と言えそうです。

「第3回ウェルビーイング調査」結果のダイジェスト版については、朝日広告社コーポレートサイト内「ASAKOが解決できること」から無償でダウンロードしていただけます。
「ASAKOが解決できること」https://www.asakonet.co.jp/download

その他、さまざまな調査やソリューションの提供を行っております。どのようなことでも構いませんので、お気軽にご相談ください。

調査結果について

【ASAKO「第 3回ウェルビーイング調査」概要】

  1. 調査目的:
    ①サステナブル分野における 20 のキーワードの認知・共感
    ②生活者の幸福度および、日常生活の様々な領域での充足度
    について定量的(一部定性的)に把握するため
  2. 調査名:
    ウェルビーイングについての調査
  3. 調査手法:
    インターネット調査
  4. 対象者:
    20~80 代の男女、全国(性年代での均等割付)
  5. サンプルサイズ:
    2,800
  6. 調査実施日:
    20223年 11 月 18 日~2023 年 11 月 21 日
  7. 調査主体:
    ASAKOサステナラボ®

【転載・引用について】
本記事・調査の著作権は、株式会社朝日広告社が保有します。
転載・引用の際は出典を明記ください 。
「出典:朝日広告社「アスノミカタ」●年●月●日公開記事」

※転載・引用に際し、以下の行為を禁止いたします。
・内容の一部または全部の改変
・内容の一部または全部の販売・出版

  1. 所属等は執筆当時のもので、現在とは異なる場合があります。
  2. また記事中の技術、手法等については、今後の技術の進展、外部環境の変化等によっては、実情と合致しない場合があります。
  3. 各記事における最新の動向につきましては、当社までぜひお問い合わせください。

著者プロフィール

【転載・引用について】

本記事・調査の著作権は、株式会社朝日広告社が保有します。
転載・引用の際は出典を明記ください 。
「出典:朝日広告社「アスノミカタ」●年●月●日公開記事」

※転載・引用に際し、以下の行為を禁止いたします。

  1. 内容の一部または全部の改変
  2. 内容の一部または全部の販売・出版
  3. 公序良俗に反する利用や違法行為につながる利用
PAGE TOP