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2024.12.23
健康への関心が高い人は幸福度や自己肯定感も高い ~第3回ウェルビーイング調査より②~
- 目次
- 第3回ウェルビーイング調査について
- 【健康に関する情報収集と行動】男性の意識・行動が全体的に低く、更年期についての理解も進んでいない
- 【健康関心度×幸福度】健康関心度の高い人ほど、幸福度も高い
- 【健康関心度×自己肯定感】幸福度以上に、健康関心度の高低による影響が大きい
- 【まとめ】健康に関心を持つことは、自分と、そして他者を大切にするということ
第3回ウェルビーイング調査について
ASAKO サステナラボ®では、生活者の幸福度や自己肯定感、また独自に開発した「60のウェルビーイング指標™」を用いた充足度の計測など、「ウェルビーイング調査」として年1回の調査を行っています。
「60のウェルビーイング指標™」の概要については、アスノミカタ「ウェルビーイング・マーケティングを具体化する“よりよく生きる”を考える60の視点」の記事をご覧ください。
前回の記事では、第3回調査結果について、第2回調査結果との比較を中心にご紹介しました。
本記事では、健康に関する情報収集と行動についての結果と、健康関心度の高低が幸福度や自己肯定感にどのような影響を与えているのかについてご紹介します。
【健康に関する情報収集と行動】男性の意識・行動が全体的に低く、更年期についての理解も進んでいない
図表1)健康に関する情報収集や行動などについて(複数回答 男女別 n=2,800)
図表2)健康に関する情報収集や行動などについて(複数回答 性年代別 n=2,800)
図表1は、健康についての情報収集や行動など10の項目について、当てはまるものを選んでもらった結果を男女別に分析したもの、図表2は、同じ設問について性年代別に分析したものです。
情報収集、または行動できている項目として最も数値が高かったのは「年に1回以上、健康診断を受けている」で57.4%、男女別に見ても同じ数値となりました。ただ、これを性年代別で見ると男女とも若年層ほど数値が低く、若年層は健康診断をあまり重視していないことがうかがえます。
次いで、全体として割合が高かったのは「どのような食事や生活習慣が健康に良くないかを知っている」で43.7%となりました。
かかりつけ医の有無についても聴取しています。
「心や身体について気軽に相談できる『かかりつけ医』を持っている」が男性23.9%、女性26.1%、「泌尿器科・婦人科・乳腺科など、(男女固有の身体のことについて相談できる)『かかりつけ医』を持っている」が男性12.4%、女性17.3%となり、男女とも気軽に相談できるかかりつけ医を持っている人が少ないことが浮き彫りとなりました。
さらに、更年期の理解についても聴取しました。
「女性には、生理や更年期により身体やメンタル面での影響があることを知っている」は、女性が59.6%に対し男性は26.7%と、女性に比べて男性の理解がかなり低いことが明らかになりました。
また、「男性にも更年期があることを知っている」については、女性46.1%、男性は36.1%と、当事者である男性のほうの理解が進んでいないという結果となりました。
その他の項目についても、全体として男性の理解が低く、また行動にもつながっていないという結果となっています。
続いて、図表1・2に記載した健康に関する情報収集や行動についての10の選択肢について、チェックした個数が
・6~10個→健康関心度の高い層
・3~5個→健康関心度の中間層
・0~2個→健康関心度の低い層
として、健康関心度の高低が幸福度・自己肯定感の高低とどのような関係があるのかを見ていくことにします。
【健康関心度×幸福度】健康関心度の高い人ほど、幸福度も高い
図表3)幸福度(健康関心度別 n=2,800)
図表3は、幸福度(5段階)について、男女別に健康関心度の高中低でクロス集計した結果です。
男女ともに、健康関心度が高い層ほど、幸福度も明確に高いことがわかりました。健康関心度の高い層は、健康関心度の低い層と比べて男性で19.7ポイント、女性で18.2ポイント幸福度が高くなっています。
【健康関心度×自己肯定感】幸福度以上に、健康関心度の高低による影響が大きい
図表4)自己肯定感(健康関心度別 n=2,800)
図表4は、自己肯定感(5段階)について、男女別に健康関心度の高中低でクロス集計した結果です。
こちらは幸福度以上に、健康関心度の高低との相関が強く見られる結果となりました。
健康関心度の高い層は、健康関心度の低い層と比べて男性で26.3ポイント、女性で38.4ポイントも自己肯定感が高くなりました。健康関心度の高い層はより自己肯定感が高くなっており、健康関心度の低い層はより一層自己肯定感が低くなっている、という状況となっています。
【まとめ】健康に関心を持つことは、自分と、そして他者を大切にするということ
本記事では、健康に関する情報収集や行動についての結果とともに、健康関心度の高低が幸福度や自己肯定感とどのような相関があるのかについて見てきました。
更年期への理解については、男性は、女性の更年期についてだけでなく、男性更年期についても女性以上に知らないということがわかりました。
ASAKOでは、更年期についての理解や職場のコミュニケーションを進めるため、一般社団法人幸年期マチュアライフ協会と共同で企業研修プログラムを提供しています。
「更年期が幸年期になるカードゲームを活用した研修プログラム」
かかりつけ医については、男女ともかかりつけ医のいる方が2割台と少ない状況です。病気というほどではなくても、体調の良くない時に相談しやすそうな病院を普段から探しておく、というのが大切かもしれません。
最後に、健康について普段から情報を集めたり行動したりすることは、自身の幸福感や自己肯定感を高めるだけでなく、他者への理解にもつながり、そしてウェルビーイングな社会にもつながっていく、と筆者は考えています。
「第3回ウェルビーイング調査」結果のダイジェスト版については、朝日広告社コーポレートサイト内「ASAKOが解決できること」から無償でダウンロードしていただけます。
「ASAKOが解決できること」https://www.asakonet.co.jp/download
その他、さまざまな調査やソリューションの提供を行っております。どのようなことでも構いませんので、お気軽にご相談ください。
調査結果について
【ASAKO「第 3回ウェルビーイング調査」概要】
- 調査目的:
①サステナブル分野における 20 のキーワードの認知・共感
②生活者の幸福度および、日常生活の様々な領域での充足度
について定量的(一部定性的)に把握するため - 調査名:
ウェルビーイングについての調査 - 調査手法:
インターネット調査 - 対象者:
20~80 代の男女、全国(性年代での均等割付) - サンプルサイズ:
2,800 - 調査実施日:
20223年 11 月 18 日~2023 年 11 月 21 日 - 調査主体:
ASAKOサステナラボ®
- 所属等は執筆当時のもので、現在とは異なる場合があります。
- また記事中の技術、手法等については、今後の技術の進展、外部環境の変化等によっては、実情と合致しない場合があります。
- 各記事における最新の動向につきましては、当社までぜひお問い合わせください。
著者プロフィール
プロフェッショナルズリサーチャー、プランナー浅野 優子(あさの ゆうこ)
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- 中小企業勤務者が注目するビジネスキーワードは〇〇
- 中小企業のマーケティング課題は「人」と「デジタル」に行き着く
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