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CX/DX
2023.01.27
キャッシュレス決済サービス『PayPay』と連動した店頭販促キャンペーン
- 目次
- 食品や化粧品のEC化率は1割未満
- デジタル店頭販促の選択肢と課題
- キャッシュレス決済サービス『PayPay』と連動した店頭販促キャンペーン
- 流通商談や店頭の棚取りへの活用
- リアル購買顧客の分析とデータ活用
食品や化粧品のEC化率は1割未満
デジタルマーケティングを担当する部門に在籍していると、毎日のようにDXやデータ分析関連の言葉を耳にします。そのため経済活動の大半がデジタルを介して行われているように錯覚しそうになります。国内で流通している商品のECでの市場規模を調査したデータ
一方で「食品、飲料、酒類」や「化粧品、医薬品」のEC化率は10%にも満たない水準で、90%以上がリアル店舗での取引となっているのが実情です。つまり、一般的な食品や化粧品ジャンルの商品の販促活動はECのフィールドで展開しても売上へのインパクトは限定的であり、通常はリアル店舗をメインに施策展開することが求められます。
デジタル店頭販促の選択肢と課題
店頭販促施策と言うと、チラシ等による店舗集客施策やPOP・什器等による店頭告知物、大量陳列等の売り場づくりが基本的な施策として現在でも実施されています。ただし、これらの店頭販促施策の実行は小売企業側の裁量によるところが多く、メーカーや広告会社がコントロールしにくい施策でした。
一方で、デジタルを活用した店頭販促施策はメーカーや広告会社が独自に実行しやすく、スマートフォンが広く普及したこの5年程度の間に技術的にも急速に発展している分野です。オンラインで購入完結できるECの販促分野はデジタル広告のテクノロジーの進化とともに先行して発展してきましたが、オフラインでの行動となる店頭購買は、デジタル広告とは分断された状態がしばらく続いておりました。つまり店頭販促はデジタル広告にとって苦手分野だったのです。そこからスマートフォンの普及によって、リアルな店頭購買の場面にもデジタルの技術やデバイスが関与するケースが増え、徐々にデジタル販促施策が進化していきました。
ただ、代表的なデジタル販促施策は「クーポンの配布」と「マストバイキャンペーン」ですが、いずれもの場合も、実施するにはユーザー・メーカー双方への負荷がそれなりに発生し、大規模な投資をしないと多くの参加者を集めることはできませんでした。
また、ECの場合はデジタル広告の接触から購入というアクションまでを一貫してトラッキングできたため、デジタル広告の販促効果を検証することができたのですが、店頭での購入は通常トラッキングが困難で、デジタル広告の直接的な効果検証に課題がありました。
キャッシュレス決済サービス『PayPay』と連動した店頭販促キャンペーン
店頭購買で大きな効果を生むデジタル販促施策として、当社が今注力しているのがキャッシュレス決済サービス『PayPay』と連動した店頭販促キャンペーンです。PayPayは登録ユーザー数5,200万人
キャンペーンの仕組みとしては、キャンペーン対象の期間に、対象の店舗で、対象の商品をPayPayで決済して購入するだけで、キャンペーンに参加できるというものです。裏側で小売企業側のPOSデータとPayPay側の決済データを紐づけることでユーザーを識別できるため、従来のデジタル販促施策の弱点だった部分を下記のように克服することができます。
- シリアルコード入力不要
- 購入レシート送信不要
- 事前エントリー、クーポン取得不要
ユーザー・メーカー双方への負荷が軽いことにより、非常に多くのユーザーのキャンペーン参加が期待できる施策となっています。
流通商談や店頭の棚取りへの活用
キャッシュレス決済サービス『PayPay』と連動した店頭販促キャンペーンの活用法として、直接的にユーザーに働きかけて販売促進を図れることもさることながら、メーカー企業の大きな課題である店舗での棚取りにも活用することが期待できます。本キャンペーンは小売企業とメーカー企業があらかじめキャンペーン内容について合意した状態で実施するため、本キャンペーンに対して小売企業側の理解や協力を得られやすくなります。それゆえ、商品の棚取りやPOPの設置も進めやすく、店頭での売上がより増加しやすい環境をつくることができます。メーカー企業が単独で行うデジタル販促施策では、小売企業側の協力を取り付けられずにキャンペーンがうまく機能しないケースも見られましたが、本キャンペーンではこの点も大きな強みとなります。
リアル購買顧客の分析とデータ活用
従来、リアル店舗での購買顧客に関するデータはメーカー企業としては取得が難しく、アンケート等による統計的なデータしか利用できていませんでした。ところが、キャッシュレス決済サービスと連動した店頭販促キャンペーンの場合は、リアル購買顧客をYahoo! JAPAN IDで識別し、Yahoo! JAPAN側にデータベースとして蓄積されるため、統計的なデータでは難しかった下記のような活用法が考えられます。
- Yahoo! JAPANで保有するデータと掛け合わせて、顧客の属性分析
- キャンペーン参加ユーザーに対してデジタル広告を配信
- 複数回キャンペーンを実施した場合の新規/リピートユーザーの割合の計測
Yahoo! JAPANの内部に顧客データベースができることで、ユーザーと多くの接点をもつYahoo! JAPANならではの施策や分析が可能となります。
当社では、キャッシュレス決済サービス『PayPay』と連動した店頭販促キャンペーンをはじめとしたデジタル販促施策の企画・設計から実行・分析までを一貫してサポートいたします。ぜひお気軽にご相談ください。
- 所属等は執筆当時のもので、現在とは異なる場合があります。
- また記事中の技術、手法等については、今後の技術の進展、外部環境の変化等によっては、実情と合致しない場合があります。
- 各記事における最新の動向につきましては、当社までぜひお問い合わせください。
著者プロフィール
プロフェッショナルズデジタルアカウント部服部 奨(はっとりすすむ)
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