クリエイティブ
デジタル
CX/DX
2023.04.17
「クリエイティブでデジタル広告の効果を最大化」
デジタル広告でクリエイティブ PDCA の必要性
2022 年に総務省から発表された情報通信白書※1によると、直近 4 年間で世界のデジタル広告市場は右肩上がりに拡大しており、例に漏れず日本のデジタル広告も 10 年以上増加の一途をたどっています。特に 2021 年はテレビ、ラジオ、雑誌、新聞の合計広告費を超え、デジタル広告費が 1 位となり、今やデジタル広告は、広告を実施する際に一番先に検討される広告といっても過言ではない状況です。
デジタル広告といえば、リスティング広告がよく知られ、検索サイトでキーワードを打ち込んだ時に表示されるものを想像する方も多いかと思いますが、現在は静止画、動画を問わず画像を主体とした広告も多くなっており、その市場規模も年々拡大しています。
デジタル広告はターゲット、クリエイティブ、リーセンシーなどさまざまな要素から構成されていますが、Instagram や TikTok など画像を主体とした媒体が多い現在は、その成果を最大化する要因として特にクリエイティブが重要です。
クリエイティブとは広告に表示される画像、動画、テキスト文章を指し、このクリエイティブを改善するための PDCA サイクルを早く回すことで、広告効果を最大化することが可能です。
クリエイティブ PDCA の回し方について
デジタル広告で PDCA のサイクルを回すには多様な方法があります。代表的な例は CTR(クリック率)、CVR(コンバージョン率)の指標を評価し、最適化を図る方法です。CTRは、表示されている広告をクリックし遷移した確率です。クリック率が高いとユーザーからの魅力が高く、クリエイティブの質が高いと評価できます。CVR は遷移先のページから商品購入ページなど目標としているページまで到達した確率です。遷移先のページで商品の魅力を伝えられ、購入へ促されていれば CVR は高くなり、逆に商品の魅力を上手に伝えられていないと商品購入まで至らず CVR は低くなります。
では実際に PDCA サイクルを回すにはどのような手順なのか説明します。
- まず計画の段階では、目標、ターゲットユーザー、および KPI を明確にし、広告のクリエイティブ戦略を決めます。ターゲットユーザーのニーズと関心を考慮し、ユーザーの注意を引き、行動を促すメッセージとビジュアルを含めることが重要です。また、CTR と CVR の目標も設定し、クリエイティブの効果を評価できるように準備します 。
- 実行の段階では、目標とターゲットユーザーに合わせた広告を作成して、実際に配信し AB テストを行います。作成した複数のバージョンの広告を検証し、どれが最も効果的かを確認します。
- 確認の段階では、CTR、CVR、およびその他の主要な指標を見て、広告のパフォーマンスを分析する必要があります。さまざまなバージョンの広告の成果を比較し、改善すべき点を考えます。
- 最後に確認の段階で得た洞察を活用して、クリエイティブを最適化することが必要です。例えば、特定のメッセージやビジュアルのパフォーマンスが他のものよりも優れていることが分かった場合は、それに応じて広告を調整する必要があります。また、さまざまな広告フォーマットと掲載面を試して、これらの変更が CTR と CVR影響するかどうかを確認します。
この PDCA サイクルを継続的に繰り返し、CTR や CVR などの指標に基づいてクリエイティブ戦略を改善することで、デジタル広告キャンペーンのパフォーマンスが向上し、マーケティング目標を達成できます。デジタル広告は常に PDCA を回し続ける必要があり、最良の成果を得るには、変更を加えて新しいアプローチを試すことが重要です。
高速 PDCA サイクルを回すコツは
広告の成果を改善させるためには「質」の高いクリエイティブを「高速」で回すことが重要です。このセクションではクリエイティブの「質」の保持と「高速」な回し方についてご紹介します。
まず、クリエイティブの「質」を上げるには当然配信媒体に合ったクリエイティブを作りこむことが肝心です。
例えば、WEB 広告において動画広告を実施する際に TVCM の素材をそのまま使っても成果が出ないことが多いため WEB 広告専用にクリエイティブを作成することが必要です。
実際に私の案件で「WEB 用素材」vs「TVCM 用素材」でテストを実施し、「WEB 用素材」は「TVCM 用素材」の 4 倍検索リフトに貢献しました。この結果から分かるように、WEB用素材を作ることは成果向上につながります。
それでは「質」の高いクリエイティブを制作するに当たっての過程をご紹介します。
▼クリエイティブの質を高めるには
制作会社へのオリエンテーションのために必要となるのは媒体・掲載面とクリエイティブの成功事例、クライアントのブランドイメージを理解することです。
- 媒体・掲載面
LINE 広告や Instagram 広告で掲載面や見方も変わりますし、Instagram 広告といってもストーリーズ面、リール面、フィード面と掲載面はいろいろです。どの面に配信するかで最適なアスペクト比も変わってくるので各媒体、掲載面に合った最適なフォーマットの見極めがとても重要になります。 - 成功事例
弊社や各媒体社のクリエイティブ成功事例です。どういった訴求・見せ方がクリック率や視聴完了率の向上につながるかは、過去の実績を見て参考にするのが近道です。
実際に弊社ではたくさんのクリエイティブ作成&運用に携わってきたので、クリエイティブのナレッジが豊富です。 - クライアントのブランドイメージ
今までご紹介した掲載面とクリエイティブの成功事例を踏まえただけでは、必ずしも良いクリエイティブは作れません。何より大切なのはクライアントのブランドイメージに合っているかという判断です。厳格なブランドイメージのクライアントであるにもかかわらず成功事例を基にしたポップな広告を出すのは合っているのか、本当に強みの訴求になっているかは、実際にクライアントとお付き合いをしている朝日広告社でしか分からないこ とも多くあります。
上記の3点をしっかり整理した上で初めて制作会社へのオリエンテーションが始まり、制作会社もそのクライアントのユーザー目線に合ったクリエイティブを作成できます。
さて、次に「高速」な回し方についてご紹介します。
▼クリエイティブの高速に回すには
クリエイティブを回していく上で一般的な方法が AB テストです。ただ、「AB テストは、ユーザー数が非常に多く決着がすぐに着く領域」1に利用すべきで、AB テストをすること自体を目的にしてはいけません。例えば動画であれば最初のキャッチコピーだけを変更した 2 パターンを用意するなど、極力変数の少ない比較しやすいものでスピーディーに回すことが大切です。また、多くの媒体で自動入札が推奨となっているので、2 種類のクリエイティブを入れて運用すると、最適化によって成果の期待できるクリエイティブに配信ボリュームが寄ります。そのような傾向が出たらすぐに成果の低いクリエイティブの差し替えを行い、常に配信ボリュームを出す運用を行います。以上のような運用は弊社のナレッジを踏まえた配信方法であり、PDCA を回す最適なタイミングと考えています。
まとめ
以上のように朝日広告社では「質」の高いクリエイティブを維持し、「高速」で回すためのノウハウを持っています。もしご相談いただければ、媒体の推奨だけではなくクライアントのブランドイメージを尊重したクリエイティブをご提案していますので、お気軽にお声掛けください。
※ 本資料に掲載した当社商標以外の会社名および製品・サービス名、サービスマーク、商標は、各社が保有する商号、登録商標または商標(出願中含む)であり、それぞれを表示するためだけに引用しています
- 所属等は執筆当時のもので、現在とは異なる場合があります。
- また記事中の技術、手法等については、今後の技術の進展、外部環境の変化等によっては、実情と合致しない場合があります。
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著者プロフィール
プロフェッショナルズメディアプランナー日裏 薫(ひうら かおる)
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