事業紹介

チーム

データ収集・解析・法的ハードル・持続性など、あらゆる課題に応える専門チームがあります。

Aging Gracefullyチーム

40、50 代女性の「わたしらしく輝く」生き方を応援する。

左から、ASAKO ストラテジックプランニング 水溜、株式会社 朝日新聞社 総合プロデュース本部 Aging Gracefully プロジェクトリーダー 坂本 真子、株式会社 宝島社 『 GLOW』編集長 井下 香苗

日本の社会は長寿命化の一途をたどり、今や女性の半数が50歳以上となった。加齢による体調の変化への戸惑いや将来への不安を抱く40、50代女性のために、年齢を重ねることに新しい価値観をもたらすべく、朝日広告社、朝日新聞社、宝島社『GLOW』の三社によって2018年より「Aging Gracefully」プロジェクトが続いている。ともに活動を進める各社の3人にプロジェクトへの想いを聞いた。

Aging Gracefully世代のみなさんとともに考え、ともに歩んでいきたい。
—— 坂本さんも井下さんも40、50代のAging Gracefully(以下、AG)世代で、水溜さんももうすぐその世代。みなさん自身は、AG世代をどのように捉えているのでしょう?

水溜みなさんとてもパワフルで、世の中を切り開いている世代。ASAKOでも先輩たちが子育てをしながらバリバリ働いていて。そういう人たちが下地を整えてくれたから、私も仕事と子育てを両立してみようと思えましたし、今それができている。だからAGのお仕事を通じて、私の次の世代がもっと働きやすいようなお手伝いをして、会社や世の中にバトンを渡していけたらと思います。

井下女性にスポットライトが当たった世代ですよね。女子高生ブームとかおやじギャルもそう。女性が世の中を動かし始めた世代。その世代が産休や育休制度を切り開いて、寿退社みたいな旧来のイメージを塗り替えていったんだと思っています。

坂本今の50代が仕事を始めた頃は、産休も育休も取りにくい風潮がまだありました。でも、女性たちが子どもを生んでも仕事を続けられることを示して、世の中の流れも変わってきたから、今の当たり前があるんですよね。

井下私は『GLOW』で40代女性をずっと応援してきたので、AGプロジェクトにはすんなり入れましたけど、お二人はプロジェクトに携わって最初はどう感じました?

坂本AGのプロジェクトリーダーになって1年ほどですが、最初は「Gracefully」と聞いて、私は優雅な人間ではないのに、と戸惑いました(笑)。そうではなくて「わたしらしく輝く」、前向きに自分らしく人生を楽しむことをめざすのが、プロジェクトのテーマなんですよね。私自身も50代で更年期の渦中にいて、親の介護もある。悩みはいろいろあるけれど、ハッピーに生きたいという思いはある。AG世代のみなさんと一緒に考えながら、歩んでいけたらと思っています。

水溜私はAGプロジェクトが発足する前から参加しています。プロジェクトへの参加が決まったときは期待と不安の半々でした。期待は、AGプロジェクトを通じて、加齢に対する世の中の固定観念を変えたり、新しい気づきを広めたりする、世の中にとって良いことに仕事で向き合えるという点です。一方で、不安は、普段のクライアントワークと違って、取り組むのが「漠然とした意識」でそれを変えようとする取り組みであるという点。この点は、今でも、より漠然とした意識に影響できる方法は何かと模索し続けているところです。

3社のコラボレーションで一人でも多くの女性に情報接点を。
—— AGプロジェクトに携わって気づいたこと、感じていることは?

井下『GLOW』がプロジェクトに参画すると決まった時は、40、50代女性のポジティブな生き方につながる情報を、雑誌の誌面だけでなく朝日新聞さんと一緒に伝えられることが嬉しく、心強かったですね。それで最初の協議会に参加したのですが、AG世代というのはネガティブなことばだらけで。ミッドライフクライシスとか、体調の変化、仕事における立ち位置、子育て、家庭のこと、介護も始まる…。『GLOW』でそういう世代を見てきたから、知らないわけじゃなかったんですけどね。もともと私は加齢に対してネガティブなイメージは持ってなくて。歳をとるとできることが増える、経験が増えますから。どちらかと言うと早く大人になりたいと、ずっと思って生きてきたので。歳をとるって素敵だと思っていたのに、「そうか、40、50代女性ってそんなに大変なんだ!」と、あらためて気づかされました。

水溜AG世代の方々は本当にパワフルに見えるんですけど、ヒアリングしていくとみなさん大小さまざまな悩みや不安を抱えていて、実はもがいている。そうした方たちの本音を引き出して、多くの方に解決への方法を示せるようにしたいと思いました。

坂本プロジェクトではAG世代の学びとネットワーキングの場として、さまざまなテーマでAGカフェを開催していますが、家族や仕事のためではなく「自分のために」時間を使おう、自分自身をケアしたり学んだりしようと、いつも呼びかけています。それは私自身にも当てはまることだと気づいて、もっと自分を大事にしなければと思いましたね。

AG カフェ「わたしメンテナンス~お灸編~」の模様から

水溜そうですよね、私はAG世代のことは予習していたのに、自分が年齢を重ねていくと仕事も家庭もやらなければいけないことばかりに時間を取られるようになって。「ワタシ、やりたいことって何だっけ?」と。考える時間が取れていないことに気づきました。

井下確かにこの世代は忙しい。私も40代になってから体力が落ちたり、疲れていてもなかなか眠れなかったりしたこともありました。振り返ってみれば、更年期だったのかなと。私の場合『GLOW』で更年期の対処方法を知っていたからか、悩んだりせずに済みました。でも、知らない人ならずっと不安を抱え込んだままになってしまう。それって情報の接点がないからなんですよね。そこを朝日新聞さんやASAKOさんと組むことで、『GLOW』で届ききれない、より多くの人たちに伝えることができる。

坂本AGカフェなどに参加してくださった方々から、「今までは一人で悩んでいたけど対処法がわかった」「毎日の生活に取り入れたい」といった感想をいただくと、本当にうれしいです。一方で男性やAG世代より若い女性たちに、AGプロジェクトを理解していただくことの難しさも実感しています。

水溜それはありますね。AG世代とそうではない世代や、男性との理解の差。企業さんへのご説明でも、同じ説明をしていても当事者の方とそうではない方で、AGプロジェクトへの関心の差を感じることがあります。どんな方にも、このプロジェクトの意義を感じていただくためにはどうすればいいのか、そこは課題です。

井下ただ、AG世代に対するステレオタイプの見方もどうなんだろうとも思っていて。「40、50代の女性ってこうなんでしょ?」「更年期でたいへんな人たちなんだ」とか。そういうネガティブで一面的な見方をするのは違うよと。AG世代だって輝いてますけど!って言いたい。

坂本更年期は全ての女性が通る時期ですが、汗やほてりなどのさまざまな症状を経験する方は全体の6割ほどで、生理が来なくなった、というぐらいの変化だけで過ごせる方が約4割。また、何か対策をしないとつらい、更年期障害といわれる不調を抱える方は全体の3割弱といわれています。ほかにもさまざまな悩みを抱えるAG世代とどう向き合い、どのように社会へ広く発信していくか。AGプロジェクトの課題だと思っています。

井下AG世代で活躍している人をアンバサダーとして迎えてきましたが、2021年の小泉今日子さんも、2022年のLiLiCoさんと住吉美紀さんも、みなさんこちらの想定を超え、いいメッセージをしてくれましたよね。その姿を見ていると、AGプロジェクトにはまだまだ伸びしろがあるから、これからも頑張ろうという気持ちになれる。本当に感謝です。

まわりを巻き込み、社会の認識を変えていく。
—— 今後、みなさんはどんな活動をしたいと考えていますか?

坂本AGサイトのコンテンツを充実させ、情報を広く発信し、AG世代のコミュニティーをもっと広げていきたいですね。当事者世代だけでなく、その周りの方々にも理解していただいて、いかに巻き込んでいくか。井下さんやASAKOのみなさんと知恵を絞っていきたいです。

井下そうですね、誰しも自分の困りごとにならないとアクションに繋がらないから。男は関係ないとか、まだその年齢じゃありませんとか。でも、誰しも歳をとるんだから!なってみればあなたも分かるよ、男だって更年期はあるんだぞと。自分たちの困りごとになることを知ってもらいたいですね。

坂本先日開催したAGの勉強会で、産婦人科専門医の高尾美穂先生がおっしゃっていましたね。女性が元気に働くためには、まず、私たち自身が前向きに体のことを知り、困っているなら何か対策を試してみること。第2に、当事者の周りにいる方々に、女性の体の不調について知っていただくこと。そして第3に、企業や自治体、政府などが仕組みを作ること。この三つが実現することが大事だと。

井下行政や会社からのサポートも必要ですけど、大きなところに求めて受け身でいるより、まず自分で自分の心身に向き合う行動をとる、そして職場とか身近にいる男性陣や女性の下の世代に働きかけていくことが私も必要だと思います。

水溜私も健康はテーマとして取り上げたくて。特に日本は身体の不調を我慢して乗り切るみたいな風潮があって、でも個人の問題じゃないよと。不調を感じたら早退するとか、婦人科を受診しようとか、女性社員のまわりにいる人や企業が対応する方法を提供していけたらと。そうした動きが一つひとつ広がることで、社会の認識となっていくのだと思います。

坂本そうですね。社会の認識を変えて、Aging Gracefullyのムーブメントを起こせるように、『GLOW』と朝日新聞、ASAKO、そしてご賛同いただくパートナー企業の皆様と一緒に、これからも挑んでいきたいですね。

水溜はい。ASAKOと多くの企業さまとのつながりを活かして、各社の商品やサービス、色々なテーマで手を取り合い、AG世代が前向きに充実した日々を送れる社会づくりに貢献していきたいです。

※会話内「AG世代」は40・50代女性のこと。
※所属等は執筆当時のもので、現在とは異なる場合があります。

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