ASAKO SHIP Branding Method®
開発チームインタビュー
人と社会のためのブランドを
ともにつくりあげていく。

左より、マーケティング 髙山 英男、水溜 弥希、羽田 康祐

企業に「社会性」が問われるようになった昨今。経済価値だけでなく社会価値もともに高め、サステナブルな成長戦略を描くCSV経営戦略を企業は模索するようになっている。朝日広告社は企業の社会価値と経済価値をともに高める独自のブランディングメソッド「ASAKO SHIP Branding Method®」を開発した。開発の背景やソリューションのポイントを訊いた。

SHIP:Shared Ideal Principle(掲げた理想を分かち合う)の略

2000回の検証を重ねて見えてきたもの。

「ASAKO SHIP Branding Method®」はどのような経緯でつくられたのでしょうか?

高山 : 最初は朝日広告社なりの独自のブランディングを考える自主研究をやってみようということで、始まったんですよね。

羽田 : そういう声があがったので、僕が部署のメンバーを中心に社内横断的にメールで呼びかけました。勉強したいっていう気持ちなら来ないでくれ、貢献したいと思っている人に来て欲しいと。

水溜 : えっ、そうでしたっけ? 私はまだ異動になったばかりで、よくわからないことが多かったので、とりあえずいろいろ顔を出して知見を貯めたいと思っていて。本当、勉強するつもりだったんですけど(笑)。

羽田 : いや、それでよくて。知識はいらないんですよ。情熱がある人に集まってほしい、そんなつもりだったんです。

高山 : 12,13人は集まったんだよね。そこから、最初みんなで世の中に出回っているブランディングメソッドをざっと集めて。60くらいかな。分析から始めていきました。

羽田 : 全部を壁に貼って見比べているうちに、何かが足りないと思ったんです。それは「生活者」。生活者がこうありたいという生活者なりの姿がブランドの目指す先にあるはずなのに、それを反映したブランディングの方法論がなかった。そこで生活者の将来の姿は一体何だって考えた時に、それは広く捉えるとよりよい明日の姿。その考え方を取り入れているメソッドがないことにみんなで気づいて。社会をよりよく変えるのがブランドの役割なんじゃないか。そのブランドが売れていくこと自体、愛されていくこと自体が社会をよりよく変えていくことになると考えたんです。それで「社会価値」という考え方が出てきた。これをベースにおいて組み立てていきました。

高山 : 2015年にそんな構想がまとまり、検証のための調査をして分析。構想を形にするようなブランドの診断項目を羽田さんが見つけていきましたね。

羽田 : テスト調査の結果がたくさんある中、延べ2000回検証してふるいにかけて関与度が高い40ほどの項目を選定し、そこから「Life Vision」を含めた7つの構成要素に絞り込んでいった。こうして出来上がったのが「ASAKO SHIP Branding Method®」です。単にブランド診断スコアの高い低いだけでなく、ブランドを成長させるトリガーを見える化できるもので、その企業の何にフォーカスしていけばよいかがわかります。

水溜 : 一般的なブランド診断だと現時点のスコアはわかりますが、これからブランドをよくするにはどうすればいいかわからないものも多いんですね。その弱点を克服したのがSHIPです。

人を、社会を想う人が生み出した
ブランディングメソッド。

有志で集まったメンバー一人ひとりの想いがあって結実したものなんですね。

高山 : 部門横断で取り組んでいるのが面白かったですね。みんないろんな考えがあるんだと。

水溜 : 有志で集まっているので、打ち合わせの雰囲気がすごくよかったですね。普段の案件では見られない情熱を覗かせていたような。会議ではこの人はこういう風に説明するし、こんな課題意識を持っているんだとか、いろいろ発見がありました。ディスカッションする中でみんなが持ってきた以上のことが会議の中で積み上がっていくのも大きかったですね。一人ひとりが独自のブランディングメソッド開発のために、いやそれを活用する企業や社会のためを思っているからこそ出来上がったものなんだと思います。

高山 : こうして形になってあらためて気づいたのが、「あ、大切なコトというのはシンプルなんだな」ということ。紆余曲折を経て、形になったものって、考えてみたら当たり前のことなんだよね。生活者の望む未来と企業の未来を重ね合わせるっていう。そりゃそうだよなと。でもそこに気づけたプロセスが大事だった。それがなかったらきっとこんなこと思いつかなかったと思う。

羽田 : 目指すべき姿を「企業・ブランド」に置くのではなくて、「ブランドを通した、より良い社会の実現」に置く。その考えに至ったのは、まさに朝日広告社らしいと言えますね。

ブランドと生活者の共創関係をつくっていきたい。

人々に愛されながら、社会をよりよくしていく企業のブランドが次々に生まれていくといいですね。

高山 : ええ。このブランディングメソッドをきっかけにして、現在さまざまなブランディングのお手伝いをさせていただいています。ブランドと生活者は「取引関係」だったものから、ブランドと生活者は共にライフビジョンを実現する「共創関係」になっていく。そこに「社会価値」を組み込んだこのブランディングメソッドをもっと多くの企業に活用いただきたいですね。

水溜 : 「社会価値」については意識はしていても、まだまだ踏み出せていない企業は多いと思います。

羽田 : いまでもオンリーワンになる、ナンバーワンになるということを掲げている企業があります。でも、それだけで生活者が共感してくれるのか。そうではなく、どんな社会をつくるのかがより大事になってくると思います。ブランドは企業が商売をしながら、どう社会を変えていくのか、それが生活者や社会の目的に一致した時に初めて社会がよりいい方向へ変わっていくし、ブランドは愛される。そのことを多くの企業の方と共有して、ブランドと社会をよりよいものにしていきたいですね。

※所属等は執筆当時のもので、現在とは異なる場合があります。